システムファミリ
システムファミリは多くのタイプを追加することになるため、管理が難しくなりがちです。タイプ命名のルールを用意しておくと、管理がしやすくなるだけでなく、タイプセレクタやプロジェクトブラウザからタイプを選択しやすくなり*、モデリングがスムーズになります。下記の命名規則は、積算などのデータ利用を効率化するほか、フィルタルールの干渉を防止することを目的に作成しています。
運用(導入要否)については、BIM実行計画策定時に決定してください。その際、命名規則の採否のほか、付加するタイミングを決定してください。また、本規則は図面表現に使用する符号表現を限定するものではありません。別途タイプマークなどのプロパティ利用を検討してください。
*半角英数字はキーボードタイプで対象がハイライトします。プルダウンリストやスクロールダイアログでは接頭文字が、タイプセレクタでは含まれる文字列が反応します。
タイプ名称例
規則に従ったタイプ名称例一覧は、別資料に示しています。 ※この資料には、システムファミリ(壁・床・天井)だけでなく、コンポーネントファミリ(窓・ドア)についても掲載しています。 コンテンツ一覧壁
共通ルール
表記例)AN_低層部_100e : A=ALC, N=normal(普通平パネル), 100=t100, e=exterior(外壁)- 接頭辞は1文字目に素材を表現し、2文字目以降に形状や性能を表現します。 素材略号例 C:Concrete(RC) , A:ALC, E:ECP, L:LGS etc. 仕様略号例 N:Normal(一般品), R:Rib(リブ付) etc.
- 接尾辞は厚みを表現し、外壁となる乾式壁の場合は「e」を付加します。
- 性能や仕様の補足事項がある場合は、接頭辞と接尾辞の間に「_」区切りで追加します。
- RC壁の命名規則は、上記に拠らず、モデリングガイドを参照してください。
性能表記
表記例1)ANF_100e : F=FireProof(耐火) 表記例2)LQF1_75 : Q=Quiet(遮音)- 防火区画に関する壁は「F」を、遮音認定に関する壁は「Q」を接頭辞末尾に付加します。
- FとQが重複する場合は「QF」とします。遮音性能のみが必要な場合、Fは省略します。
軽鉄壁(一般)
表記例1)LN34 _90 : 3=外側L-3, 4=内側L-4, 90=LGS90 * 表記例2)LN3u4m_65 : 3u=L-3面は天井下, 4m=L-4面は端部シール *内側、外側はアセンブリ編集ダイアログの表現に対応します。- 旧符号ルール「L-1」に相当するId番号を接頭辞に付加し、両面分を表現します。
- Id1~3は固定値とし、それ以降はプロジェクトで任意に追加します。
- Id0 : LGS表し
- Id1 : GB-R t12.5
- Id2 : GB-R t12.5 + GB-R t9.5
- Id3 : GB-R t12.5 + GB-R t12.5
- (以降はプロジェクトごとに任意)
- 末尾の厚み表現はLGS厚を記入します。遮音壁の場合は、空隙厚を記入します。
- 下地共天井下の場合は、Idの後に「w」を付加し、「LN34w」のように表現します。
- ボードのみ天井下の場合は、該当Idの後に「u」を付加します。
- ボード端部にシーリングが必要な場合は、該当Idの後に「m」を付加します。
- グラスウールを充填する場合は、「LN34G」のように接頭辞に付加します。
- ボードIdの並び順は、各PJで使用頻度の高いIdを左にすることを推奨します。
軽鉄壁(耐火、遮音)
表記例)LF2_wallZ_14K_90 : wallZ=ハイパーウォールZ, 14K=112条14項- LGS性能壁の場合、仕様表記の「N」を省略します。続けてIdを付加します。
- 多くの性能壁が両面で構成されるため、Idは1ケタで表現します。
- 性能壁のIdはボード構成ではなく製品を表すため、ボード構成が同じでも軸構成が異なる、などの場合は、別のIdを割り当てます。
- Id1~3は固定値とし、それ以降はプロジェクトで任意に追加します。
- Id1:S12
- Id2:ハイパーウォールZ
- Id3:Sウォール
- (以降はプロジェクトごとに任意)
- 補足事項として商品名を足しておくと識別しやすくなります。
- 法的要求性能をタイプ名に表現する場合は、「_(該当条数)J」「_(112条該当項数)K」とします。
- 片面区画壁で反対面が一般壁の場合でひとつのタイプとする場合は、「/」の後にIdを追加し「LF3/1」のように表現します。 (反対面の一般壁を別タイプとするかはプロジェクトの特徴に応じて判断が必要です)
- 性能壁の複層構造には原則厚みのある仕上げを含まないようにします。
- グラスウールを充填する場合は、「LF2G」のように接頭辞に付加します。ただし、遮音認定品の場合は省略可とします。
接頭辞でグルーピングするもの
- 素材を示す接頭辞頭文字で分類できないものは、属性に応じた接頭辞でグルーピングします。
- 仕上げ壁 : Fin, 金属系 : Mtl, パーティション類 : Par, その他 : Otr
- グループを表す接頭辞以降は、基本的に任意の文字列で対象を表現してください。
- ただし、FとQの使用は原則避けてください(フィルタルールが干渉するため)。
注意点
- 補足説明以外はアンダーバーを含めて半角文字とします。
- LGS一般壁でIdが二桁になった場合(9を超える場合)は、小文字アルファベットを使用してください。
- 例 : 1,2,3, … 7,8,9,a,b,c,d, …(fは耐火の「F」と重複するため使用しない)
床
共通ルール
表記例)CN_150 : C=Concrete, N=normal, 150=構造厚(構造符号未定時) 表記例)S_S151 : S=Structure, S151=スラブ符号(構造符号付与時)- 素材を表す接頭文字を使用し、スラブを表現します。基本的には壁のルールを踏襲します。
- スラブ符号は「_」で挟んで表現します。
- スラブの場合、原則増し打ちを複層に含まずにタイプを作成します。この時、入力レベルは構造天とします。
- R床の場合、耐火、遮音性能でフィルタする場面が少ないため、壁の場合に共通使用文字とした「F」「Q」は、性能表現に使用しません。
接頭辞でグルーピングするもの
- スラブ以外は、属性によっては接頭辞でグルーピングします。
- 押さえコン等 : Add, 上げ床下地 : Rsd, 仕上げ:Fin, etc.
天井
天井は、仕上げの差をタイプ分けに含めるものとし、やや異なる規則とします。共通ルール
表記例)Rw_岩綿吸音板_L : Rw=仕上げの記号, 岩綿吸音板=補足(省略可), L=下地属性- 接頭2文字を用いて、仕上げとしての表記を記載します(以降「仕上げId」)。
- 在来軽天下地の他、システム天井や特定天井などを下地属性として記載します。
- 一般軽天:L
- システム天井:S
- 特定天井:T etc.
- 外部天井(軒天)は更に末尾に「e」を付加します。
- 補足がある場合はアンダーバーで記入します。
複層の構成
- 原則、複層にハンガーは含まずにタイプを作成します。
- 塗装など厚みのない仕上げは複層に含まず、タイプ名およびマテリアルで表現します。
仕上げ表現
表記例)Nc_不燃ジプトーン_L:Nc=仕上げId, 不燃ジプトーン=補足(省略可), L=下地属性- 2文字を用いて、仕上げを表現します。
- 化粧せっこうボード(不燃):Nc
- 岩綿吸音板:Rw
- せっこうボード EP:Pg etc.
- 仕上げ兼用となるボード類には略号を用意していますが、同系の材料をグルーピングして代表値として表現し、仕上げIdを簡素化することを可とします。
- 化粧せっこうボード(不燃)の柄違いを分けずに代表符号とする:Nc etc.
- 仕上げ層を表現する部分は2文字の略号で表現します(塗装やクロスの場合)。
接頭辞でグルーピングするもの
- 上記ルールで分類できないものは、属性に応じた接頭辞でグルーピングします。
- 金属系 : Mtl, その他 : Otr, 仕上げ:Fin