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階層的な仕分け手法について
Smart BIM Standardでは、システムファミリ命名規則やビューテンプレートの命名規則を定めています。
オートデスク社のBIMソフトであるRevitには、モデルを構成する要素に対し「カテゴリ」「ファミリ」「タイプ」といった分類があり、そもそも階層的にデータができあがる構成になっています。
これに命名規則を追加することで、さらなる分類を追加することができます。 例えば、「ファミリ」に対して「製作もの」「規格もの」のような製造方法による分類を、「タイプ」に対して「鋼製」「アルミ製」といった素材による分類を命名規則で追加することができます。
次は、プロパティの優先順位を考えていきます。パラメータの多くには、「Aが決まればBが決まる」といったような従属関係があります。これは「パラメータAの優先度が高い」と言い換えることができます。
例を挙げると、名前が「SD-1」という鋼製ドアがあった場合、素材プロパティは「スチール」に決まる、という関係が成立します。素材プロパティが「スチール」と決まっている場合に、名前の変更を許可すると、データは混とんとしてしまいます。
以上を踏まえて、モデリングルールをデータで記述するための手法を紹介します。これは、データベースで処理されることを意識した、文字列の作成方法の例です。
データベースが実行できる文字列のフィルタ操作は、主に「~で始まる or 始まらない」「~で終わる or 終わらない」「~を含む or 含まない」の3つです。これを意識すると、プロパティに使用する文字列の構成を考えることができます。
例えば、接頭辞を素材表現に使用し、仕様情報の表現には、接頭辞と重複しない別の文字をあてます。これにより、文字列のフィルタ操作によって、任意の対象を取得することが可能になります。このような文字列の規則を用いれば、例えば「Lで始まる」かつ「Fを含む」といった操作でLGS耐火壁をフィルタする、といった操作が可能になります。
このようにシステマティックにルールを構築することで、プロパティを照合することが可能になります。例えば、LGS耐火壁をフィルタすると、コアレイヤのマテリアルや法性能を示すパラメータに入力されるべき値が定まり、このプロパティから導かれる「厚み」や「耐火時間」といったプロパティが確定します。
システマティックなルールは、機械的なプロパティ照合を可能にするという大きな恩恵をもたらします。
以上のような考えに基づき、Smart BIM Standardでは、システムファミリ命名規則やビューテンプレートの命名規則を定めています。プロジェクトごとに適用の要否を決定することにしていますが、命名規則は情報の集積するBIMモデルを整理し、関係者間での情報共有を助けます。同時に情報管理上のさまざまな恩恵をもたらします。