OBAYASHI - Smart BIM Standard

BIMの難しさとして、「モデリングプロセスの管理ノウハウがない」「モデルが持つ情報活用と図面機能の塩梅を見定めなければならない」「情報のつくり方に手法がない」という3点を挙げました。この課題に対して、われわれが見出した解決方法が次の2点です。1つの課題に1つの解法がある訳ではなく、3つの課題を複合的に解決する手法となります。

●情報を仕分けるための階層化手法
●プロセスを管理するためのLOD(Level Of Development)管理手法

Smart BIM Standardは、上記の解決方法を意識した基準となっています。BIM一貫利用のためのルールは、単に入力のしやすさ、情報の分かりやすさだけを考慮して定めたものではありません。「What’s SBS?」ページでは、「モデリングルールはBIMがもたらすデータの型をそろえるために必要」と記していますが、その観点から考えると、モデリングルールは、運用をスムーズに行うために「適用しやすく」「照合しやすく」「更新しやすい」のが理想です。このための条件は「人が理解・記憶しやすいこと」、そして「コンピュータの支援を得やすいこと」と考えました。この条件を達成する手段として、「情報を仕分けるために階層化されていること」「データで記述できるLODを活用すること」が解決方法であると見出しました。

既知の通り、大林組では社内標準ソフトとして、Autodesk社のRevitを使用しています。Revitには建築、構造、設備用のユーザインターフェースがあり、建築、構造、設備間の整合調整を行うにあたり、1つのモデルを作成できるということが標準ソフトに選定した大きな理由で、情報を階層的に保持できるというのも大きな特長です。 しかし、Revitは習熟が難しいアプリケーションと言えるかもしれません。コンセプトの理解だけでは実践が難しい部分が多々あると思います。大林組の中で得られた知見を盛り込んだコンテンツなどもアップしています。多くのRevitユーザーへの一助となれば幸いです。

次回はSmart BIM Standardで扱うLOD活用について解説します。